中音研ニュース 第43号 平成30年2月発行 (広報部)
去る11月21日(火)、奈良市立平城東中学校において、井上牧先生による2年生を対象にした鑑賞領域での研究授業が行われました。「絵画の印象を音楽の曲想と関わらせて聴こう」という題材で、組曲「展覧会の絵」を教材にされました。第5曲「卵の殻をつけたひなどりのバレエ」、第9曲「鶏の足の上の小屋」を取り上げ、音楽を聴いてから絵画を観る、絵画を観てから音楽を聴く、という双方向からの鑑賞活動に、子どもたちから発想豊かな意見が発表されました。また、「聴き取ったこと」や「感じ取ったこと」を結びつける展開でも、進んで発表して友だちの意見を聞き、自分の考えを深めていく様子が印象的でした。
その後の研究協議では、参加者の意見交流のあと、奈良県教育委員会 学校教育課 指導主事の上西秀勝先生より、「意見を共有することが大事」とご指導いただきました。ワークシートに友だちの意見を書く欄を設けたり、意見交流の場面を設定したりするなどの工夫をして、子どもたちに気付かせていくことで聴き方の質を高めていけるように、ということでした。授業の中で「伝え合う」「共感し合う」ことで言語活動の充実を図ることの重要性について解説いただきました。
〈研修会に参加して〉
組曲「展覧会の絵」は今年度の夏ゼミで、楽曲分析や聴かせるポイント等々、研修を深めたところを早速、取り組まれるということで、先生の発問や授業の展開、子どもたちの反応を楽しみに参加させていただきました。
今回は組曲より2曲を取り上げ、それぞれ「絵画」と「音楽」という二つの芸術を関連付けながら、曲想を味わって聴くという鑑賞の授業をされました。自分の授業では、聴いたことを書かせるだけでも苦労をしており、授業展開やワークシート作りに悩んでいます。本時では絵画と結びつけての授業展開ということで、作業内容が多く難しいのではと思いましたが、子どもたちは豊かな発想で「聴き取ったこと」や「感じ取ったこと」を積極的に発表し、井上先生もその意見をほかの子どもたちに返していく形で、全体で共有していきました。また、子どもたちから引き出した「聴き取ったこと」と「感じ取ったこと」を結びつけ、視覚的にもわかりやすくまとめていきながら授業を進められ、大変勉強になりました。井上先生、貴重な授業をありがとうございました。 (上牧中学校 上平美和)
♪♪♪~第65回奈良県中学校音楽大会~♪♪♪
本年度の音楽大会は11月11日(土)に大和高田さざんかホールで開催されました。合唱、吹奏楽、弦楽合奏、ギター・マンドリンなど部活動からの参加に加え、学年合唱で参加された学校もあり、多彩で楽しい音楽大会になりました。合わせて、作曲コンクールの表彰及び受賞作品演奏も行われました。
ゲストには「リコーダーアンサンブル・ユーイング」の皆様をお招きしました。北村俊彦先生による指揮とともに、素敵なリコーダーの音色が会場いっぱいに響き渡り、アンサンブルのすばらしさを堪能しました。最後に中音研OBの西口博和先生に講評をいただいて、盛況のうちに終わることができました。本年度も多数の先生方のご協力、誠にありがとうございました。
〈生徒のみなさんの感想〉
私は音楽大会のステージに立って、思い切り楽しい演奏ができたと思いました。最初は歌詞を間違えないかなと、とても不安でしたが、いざ本番となって歌ったら緊張がほどけて楽しい演奏ができたと思いました。 (広陵中学校)
作曲コンクールで作曲されたものを歌わせて頂けてとてもうれしかったです。途中から音程やタイミングが変わって、とても美しいハーモニーでした。練習通りに歌えてよかったです。ステージの上で歌うとき少し緊張したけど、間違えずに歌えてうれしかったです。 (広陵中学校)
私が作った曲が私のではないというぐらい、素敵に編曲されていてとても驚きました。合唱部のみなさんも感情をこめて歌ってくれたので、とてもうれしかったです。私は作曲を頑張ってよかったと思いました。私は人前に出ることはあまり得意ではなく、とても緊張するのですが、今回の経験を生かしたいと思いました。 (真美ケ丘中学校)
新メンバー初の舞台での演奏は緊張もしましたが、私達の歌声を会場全体に響きわたるようにという思いが強かったです。今回の歌は、どれも明るい感じ曲なので、常に笑顔でいること、テンポや歌詞にのせて上半身を少し揺らすことを心がけました。また、歌詞から浮かび上がる情景を頭の中で想像して、曲に自然と入り込めるようにも工夫することができました。そして合唱や合奏などは、聴いてくださる方々の印象に残る歌声やメロディーを贈ることが大切なので、会場に響きだけでなく、声をもっと前に飛ばし、しっかり発音して歌詞の意味が伝わるように今後していきたいと思います。今回の反省点を課題にして今後の練習や舞台に立つときに生かしていきたいです。 (香芝北中学校)
今までで一番緊張しました。ソロはあまり上手くできず、悔しかったです。他校のトランペットの音は私の音と全然違いました。これから練習をたくさんして、こもっていない、透き通る音を吹けるようになりたいです。 (橿原中学校)
リコーダーの演奏が見ていてとても楽しかったです。自分の番の時はすごく緊張したけど、大きなステージで演奏できたことは良い経験になったと思います。 (橿原中学校)
私達三年生にとって最後の舞台をとても楽しめることができました。この機会を与えていただきありがとうございました。三年間で得たものは歌を上手に歌う方法だけではありませんでした。一つ一つの曲をこなしていくうちに仲間の大切さなどを得ることができました。普段、相手に直接言うのが恥ずかしい言葉でも、伝えることができる『歌』が好きです。なので、音楽大会のような機会に多くの人に音楽を好きになってほしいと思います。 (香芝東中学校)
一曲目に歌った『奏』では、練習の時から歌詞が不安定で、本番もどうなるかと思ったけれど、しっかりと歌詞も間違えずに歌えたので、ホッとしました。二曲目の『群青』では、とても重い歌詞が書かれていました。この歌詞を作った人の気持ちと、今の自分の大切な人のことを思って歌いました。本番では、最高のパフォーマンスができたと思います。この音楽大会に参加して、僕が思ったことは、仲間と協力しながら、一つのことを成し遂げることは、素晴らしいということです。音楽大会に向けて一生懸命に練習してきて、本当によかったと思います。そして、男子合唱に入ったこともよかったと思います。 (香芝東中学校)
一番初めの発表だったので、とても緊張しましたが、精一杯歌うことができたので、ステージ
の上へ立ち、歌っているときは、とても気持ちがよかったです。合唱をしていてよかったなと感じ
ました。『大和高田さざんかホール』のステージに立ち、歌ったことは一生の思い出です。(香芝東中学校)
♪♪♪~お知らせ~♪♪♪
◇ 「音楽のワークブック」及び「響け歌声」の注文書が2月頃に、ワーク・愛唱歌集研究部より各校へ送付される予定になっています。
「音楽のワークブック」については平成29年度より、教育芸術社と教育出版、2つの教科書の題材や学習内容に即して、それぞれのワークを作成してくださっています。また、「響け歌声」では教科書の歌唱教材に関連する曲が多く取り入れられ、授業の資料として活用できる内容となっています。
11月には活用の仕方についての研修がありましたように、より多くの先生方にワーク・愛唱歌集のことを知っていただき、ぜひ授業で活用していただければと思います。
◇平成30年度全日本音楽教育研究会全国大会および第60回近畿音楽教育研究大会が平成30年11月8日(木)・9日(金)に和歌山県で行われます。平成32年度の近音研は奈良県大会ということですので、和歌山県大会へ参加し研修できるようご準備ください。