第46号

中音研ニュース 第46号 令和1年9月 (広報部)

 

る6月7日(金)香芝市立香芝西中学校において今年度の総会が開催されました。

また、午前中の公開授業では村上智咲先生による3年生を対象にした歌唱領域の研究授業が行われました。「詞や曲の背景を理解し、曲にふさわしい歌唱表現を創意工夫しよう」という題材で、「花の街」を題材にされた授業でした。

 曲の背景や歌詞の内容に関心を持ち、また詞に込められた思いを歌唱表現に活かせるように、全3時間の計画で授業を進められました。第1時に作詞者や作曲者の思い、曲の背景を知り、第2・3時では歌詞に込められた思いや音楽を形づくっている要素と曲想とのかかわりを意識して、個人での考えをグループでの表現の工夫につねげるという構成でした。前時にまとめたグループ用のワークシートをもとに各グループで意見交流しながら3番の歌唱練習を行いました。その後、工夫する意図について意見発表を行い、歌唱し相互に評価し合いました。生徒が主体的に学びを深めるためのエッセンスが散りばめられた魅力ある授業でした。また、最後には先生方を交えて「花の街」を合唱しました。

 その後の研究協議では、先生方の意見交換のあと、奈良県教育委員会事務局学校教育課指導主事の辰巳 真弓先生に指導助言をいただきました。そのお話の中で「生徒たちに、何を身につけさせるか明確にすること」や「主体的・対話的な学び」が大切であることを教えていただきました。また、今後 社会や地域と連携して教育活動をすすめていく上で校種間の交流の意義をご指導いただきました。

 午後からの研修では「新学習指導要領について」という演題で辰巳 真弓先生から令和3年度より全面実施になる新学習指導要領の施行に向けて、先生の実体験も交えながらわかりやすくご解説いただきました。

 


〈授業者の感想〉
・4年間、毎年研究授業に参加させていただき、先輩方や同期の授業を、ただただ「すごいなぁ」と思っていました。今回、自分の学校で研究授業をさせていtだくことになり、準備をする中で、教材への関わり方、子どもたちに何を学ばせたいか、学ぶ方法、活動の内容、教師の声かけ、教師自身の思い、など普段いかに深く考えられたいなかったかということが身にしみて分かりました。授業研究部の先生方や、グループの郡市の先生方、ご退職なさった先生にもご相談にのっていただき、授業を見てもらいながら試行錯誤できたその課程が、私にとっても3年生の子どもたちにとっても非常に良い学びになりました。授業公開したクラスも、4月当初は歌声のまとまらない様子でしたが、この研究授業によって大きく成長しました。せっかく先生方に頂いた機会ですので、この経験が自分にも子どもたちにとっても次へつながるように、ここで終わらないように、いっそう気を引き締めていきたいと思います。ありがとうございました。

                                  (香芝西中学校 村上 智咲く先生)

 


 

先生方の感想♪

〈研究授業について〉
 ・子どもたちの歌声にとても感動しました。日頃の先生の指導が素晴らしいと思いました。グループ発表に向け、みんなで考えた意見を歌にのせて表現しようと話し合い、活動している姿がとても良かったです。本当に勉強になりました。ありがとうございました。

 

・生徒が主体のとても活気のある授業だなと思いました。先生の発問や生徒への声かけが丁寧で、落ち着いた雰囲気を上手く作っておられてすごいなと思いました。お互いに聴き合うという活動や本当に大切だと改めて思いました。生き生きと取り組んでいる生徒さんがとても素敵でした。大変勉強になりました。ありがとうございました。


・生徒の力を引き出していた授業でした。自分の学校でも、真似できるところ(音頭を取る子を決める等)を参考にしていきたいです。

 

・村上先生の落ち着いた中にも、子どもらに届く一言ひとことが静かにしっかりと響いていて、先生が日頃から出されている雰囲気や生徒との対話あってのことなんだろうななぁ・・・と感動しました。頻繁に声やのどを痛めてしまう私としては、本当に見習いたいと思いました。

 

・とても素敵な授業、ありがとうございました。生徒主体で動く授業だったと思いました。「ゆうぐれ~」の拍数が捉えにくく、「はるよ・・・」が入るのが難しかったです。音がとれない生徒も一生懸命に表現していたことにとても感動しました。

 

・最後に子どもたちと一緒に歌唱すた後の言葉が印象に残っています。「鳥肌が今もおさまらん!」「やばい」「すごくない!?」「泣きそうになった」こんな風に感じる心を持っていること、このように言葉を発する素直さ自体が素晴らしい生徒たちだと思いました。こちらこそ、パワーを充電させてもらいましたよ!

 

〈研修会に参加して〉

・主体的な学びが目的にならないように、というお言葉で「はっ」と気付いたことがあります。今日の「花の街」は無伴奏で歌うことにポイントがあったのですが、ついつい「あぁ、無伴奏で歌えた」だけで私の中で終わっていて、歌声をしっかりと聴いて歌うための手段だったことに改めて気付きました。

 

・評価方法など不明瞭で不安なことがある中で、今回資料もたくさん示して頂いたり、分かりやすくかみ砕いてお話してくださったので、とてもありがたかったです

 

・昨年度もですが、立って見ておられる先生方がとても多いので、奥につめてもらう等、工夫が必要かもしれないです。

 

・いろいろな学校の先生方と交流させていただく中で、明日から活かせる工夫やアイデアを多くいただけ、来てよかったなぁと思いました段取りやご準備くださった先生方、ありがとうございました。

 

〈日頃、思っておられること など〉

・合唱コンクール、学級としての協力を得ることはできていますか?学級の取り組みとして、協力が得られた場合は、とても生徒はよく歌い、そうでない場合は歌うが体育館等では歌わないということがあるので悩んでいます。

 

・多くの先生方の普段の授業を見せていただく機会があると勉強になるなぁと思いました。

限られた授業数の中で、日々様々な教材をこなしていくので必死です。学校には音楽の教員が一人なので、このような研修の機会はとても勉強になり良かったです。

 

・このようにいろいろな先生方と交流させて頂ける貴重な場で、毎年とても学ばせて頂き本当に助かっております。日々、一人で分からず困っている悩みも相談させてもらえるので、来年も是非参加したいです。

 

 


♪♪♪~第26回鑑賞教育研修会、第12回近畿夏の勉強会奈良県~♪♪♪

 去る8月22日(木)・23日(金)、今年度の夏ゼミは「鑑賞領域の指導と評価ー雅楽を教材とする学習についてー」をテーマに、拓殖大学北海道短期大学より萬 司(よろず つかさ)先生をお招きし、王寺町やわらぎ会館で行われました。今年度は32名の先生が参加し、1.5日開催となりました。

 1日目は、はじめに雅楽『越天楽』題材に、天理市立南中学校、徳村ゆかり先生の模擬授業がありました。全3時間のうち第2時の部分を拝見し、篳篥の唱歌をもとにしながら、「間」に着目する中で、日本の伝統音楽の特徴や魅力を考えさせる展開でした。次に、全体研修で萬先生からご講義がありました。その中で「雅楽」が定義上とても広いことをはじめ、構成を把握する上での有効な手立てなどを教えていただきました。また、新しい学習指導要領の全面実施を控え、「知識」に関する指導内容について、「曲想と音楽の構造の関わり」を理解することなどの具体的な内容を示しながら、丁寧にご指導いただきました。続いて、雅楽『越天楽』を題材に、グループで教材研究をしました。鑑賞する際、比較し聴き取らせると学習が深まることから、どの部分を採り上げるとよいか、また学習の最終的なゴールについて等、検討を重ねました。
 2日目は、1日目に続き指導の流れや展開についてさらに研究し、午後からグループ研修の発表をしました。研修会のまとめとして、萬先生からは近音研に向けて、唱歌を展開の中でどのように活用するか、雅楽の中でも他のもの(舞楽など)の扱いといった学習内容の設定、また新学習指導要領の沿った評価についてなど、示唆していただきました。鑑賞領域の学習は、音楽の構造を捉え、その音楽の特徴を把握していく中で、音楽の多様性について理解していくことができると教えていただき、大変有意義な研修となりました。



♪♪♪~近畿音楽教育研究会 奈良大会に向けて Vol.2~♪♪♪

 2020年近畿音楽教育研究大会が奈良県で開催されます。日時は2020年11月20日(金)、全体会場は橿原文化会館です。研究授業は香芝市立香芝東中学校の澤 昌美先生が歌唱領域で、天理市立南中学校の徳村ゆかり先生が鑑賞領域で行ってくださいます。全体テーマを「響DO(協働)~感じる 深める 心の音色」、中学校テーマを「音楽でつなごう 心の架け橋を ~奏でよう まほろばの地から~」と設定し、これらのテーマをもとに、授業研究部を中心に授業の内容等を研究、検討していることろです。また、研究演奏していただくメンバーを広く県内から募集しております。合唱と、器楽(リコーダー演奏)のステージの予定です。

 来年度からは、すべての先生方に何らかの役割を担っていただく予定になっております。どうぞよろしくお願いいたします。
        近音研奈良大会 専用ホームページ アドレス→→    https://kinonken-nara2020.com/